君の名を呼んで
「何を……」
城ノ内副社長が桜里を睨みつけるけれど、彼は涼しい顔をしたまま。
「もちろん、雪姫の気持ち次第です。一応、あなたがたにはお話しておくべきかと。……雪姫には昨夜きちんと申し入れをしましたよ。ゆっくり、朝までかけてね」
城ノ内副社長が、大きく目を見開いた。
そんな言い方をしたら、完全に誤解される。
私は動揺のあまり、首を振ることしかできなくて。
「違う、桜里とは……っ」
一番知られたくなかったことを。
一番知られたくなかった相手に。
桜里、どうして?
厳しい目をした真野社長が、桜里を見つめた。
「失礼ながら、うちは社員の売買をするつもりはありませんが」
桜里はふ、と笑って社長へ頷く。
「……ああ、ご心配なく。これはビジネスの話とは無関係ですから。雪姫の返答がどうであれ、エアリエルのイベントはこちらと組ませて頂きたいと思っています」
最後まで聞くこと無く。
城ノ内副社長が私の手を強く引いて、社長室から連れ出す。
無言のまま足早に会議室に入ると、鍵を掛けた。
「城ノ内副社長?」
城ノ内副社長が桜里を睨みつけるけれど、彼は涼しい顔をしたまま。
「もちろん、雪姫の気持ち次第です。一応、あなたがたにはお話しておくべきかと。……雪姫には昨夜きちんと申し入れをしましたよ。ゆっくり、朝までかけてね」
城ノ内副社長が、大きく目を見開いた。
そんな言い方をしたら、完全に誤解される。
私は動揺のあまり、首を振ることしかできなくて。
「違う、桜里とは……っ」
一番知られたくなかったことを。
一番知られたくなかった相手に。
桜里、どうして?
厳しい目をした真野社長が、桜里を見つめた。
「失礼ながら、うちは社員の売買をするつもりはありませんが」
桜里はふ、と笑って社長へ頷く。
「……ああ、ご心配なく。これはビジネスの話とは無関係ですから。雪姫の返答がどうであれ、エアリエルのイベントはこちらと組ませて頂きたいと思っています」
最後まで聞くこと無く。
城ノ内副社長が私の手を強く引いて、社長室から連れ出す。
無言のまま足早に会議室に入ると、鍵を掛けた。
「城ノ内副社長?」