君の名を呼んで
***
ランウェイを見た瞬間。
皇が凍り付いたのが わかった。
名前を呼ぶことも
モデル時代の写真を見ることも
許してくれていた彼が。
私の目の前で、プライドの高い彼が、立ちつくした。
“コウ”の苦しみは深すぎて。
私には何も言えなくて、苦しかった。
それは本番の会場の下見に行った日のことで、今でもその瞬間を思い出して泣きたくなる。
本当は、私には何一つ、彼のためにできることなんて無いのかもしれないと思ったんだ。
BNPはそんな彼が自分で築き上げた場所。
だからこそ、皇にーー城ノ内副社長に、BNPを離れるなんて、そんなことさせられないと思ったのに。
桜里は、彼に何をさせたいんだろう?
ランウェイを見た瞬間。
皇が凍り付いたのが わかった。
名前を呼ぶことも
モデル時代の写真を見ることも
許してくれていた彼が。
私の目の前で、プライドの高い彼が、立ちつくした。
“コウ”の苦しみは深すぎて。
私には何も言えなくて、苦しかった。
それは本番の会場の下見に行った日のことで、今でもその瞬間を思い出して泣きたくなる。
本当は、私には何一つ、彼のためにできることなんて無いのかもしれないと思ったんだ。
BNPはそんな彼が自分で築き上げた場所。
だからこそ、皇にーー城ノ内副社長に、BNPを離れるなんて、そんなことさせられないと思ったのに。
桜里は、彼に何をさせたいんだろう?