君の名を呼んで
「冗談でしょう!?だってあなた幾つですか?どう見たって20代か、30歳前後……!」
心底驚いている朔の問いに、桜里が答える。
「これでも僕は41歳ですよ。雪姫は僕が18歳の時に産まれた子です」
さすがに皇が、動揺した面持ちで私に問う。
「おい、雪姫……」
「皇、前に言いましたよね。鷺って漢字が難しくて、覚えられないって。だから桜里も、海外に行ってから本名を名乗らないんです」
そう。
白鳥桜里は、本名 白鷺桜里。
れっきとした、私の父親ーー。
「まさかの親子オチ……」
真野社長が茫然と呟いた。
「言っておきますが、これはエアリエルのトップシークレットですよ。口外したなら、賠償金は9桁に登りますから、お忘れなく」
あんなアイドルの若造なんて目じゃありません、と変な例えをしてシーッと人差し指を立てて悪戯っぽく笑う桜里。
私が皆に言えなかったのも、まさにそれが理由。
「あんな、思わせぶりに愛してるだの何だのと……」
皇が怒りに満ちた目で、ふるふると拳を固める。
あああ、怒ってる怒ってる。
けれど見た目は私の兄程度にしか見えない父は、涼しい顔で皇を鼻で笑う。
「面白かったもので。君がやきもきするのが。それにほとんど嘘は言ってませんし」
「殴らせろ。二、三発で許してやる」
しれっと言う桜里に、なんだかドス黒いオーラを発してる皇を、真野社長が抑えこんだ。
「城ノ内!堪えて!」
「放せ、真野!てめ、雪姫も雪姫だぞ!」
うう、ごめんなさい。
心底驚いている朔の問いに、桜里が答える。
「これでも僕は41歳ですよ。雪姫は僕が18歳の時に産まれた子です」
さすがに皇が、動揺した面持ちで私に問う。
「おい、雪姫……」
「皇、前に言いましたよね。鷺って漢字が難しくて、覚えられないって。だから桜里も、海外に行ってから本名を名乗らないんです」
そう。
白鳥桜里は、本名 白鷺桜里。
れっきとした、私の父親ーー。
「まさかの親子オチ……」
真野社長が茫然と呟いた。
「言っておきますが、これはエアリエルのトップシークレットですよ。口外したなら、賠償金は9桁に登りますから、お忘れなく」
あんなアイドルの若造なんて目じゃありません、と変な例えをしてシーッと人差し指を立てて悪戯っぽく笑う桜里。
私が皆に言えなかったのも、まさにそれが理由。
「あんな、思わせぶりに愛してるだの何だのと……」
皇が怒りに満ちた目で、ふるふると拳を固める。
あああ、怒ってる怒ってる。
けれど見た目は私の兄程度にしか見えない父は、涼しい顔で皇を鼻で笑う。
「面白かったもので。君がやきもきするのが。それにほとんど嘘は言ってませんし」
「殴らせろ。二、三発で許してやる」
しれっと言う桜里に、なんだかドス黒いオーラを発してる皇を、真野社長が抑えこんだ。
「城ノ内!堪えて!」
「放せ、真野!てめ、雪姫も雪姫だぞ!」
うう、ごめんなさい。