君の名を呼んで
***
エアリエルのショーを終えた一号店の店内に、許可を貰って私は一人で残っていた。
桜里が何か話したそうにしてくれていたけど、招待客やらエアリエルのスタッフやらに捕まって祝賀会に連れ去られてしまって。
すずと朔は真野社長が送ってくれるというので、なんとなく手持ち無沙汰に片付けを手伝って、気がついたら皆帰った後。
「夢みたいだったな……」
人の前に出るなんて、久しぶりで。
それが桜里のプロデュースした舞台で。
ウェディングドレスで皇に抱かれて。
皇が、ランウェイに……。
ん?
「あーっ!皇!!」
忘れてたああっ!!
慌てて大声を出した私の頭を、後ろから軽くこつんと叩く手。
「やっと思い出したか。薄情な女だな、雪姫」
振り返れば、皇が私を呆れた顔で見下ろしていた。
「ご、ごめんなさい!なんだかいっぱいいっぱいで」
ずっと皇を放ったままだった!
恥ずかしさに俯きかけた私の顎を捕らえて、皇がまっすぐに見つめてくる。
「全く、お前はいっつもそうだよな」
「皇……?」
お、怒ってない、のかな?
エアリエルのショーを終えた一号店の店内に、許可を貰って私は一人で残っていた。
桜里が何か話したそうにしてくれていたけど、招待客やらエアリエルのスタッフやらに捕まって祝賀会に連れ去られてしまって。
すずと朔は真野社長が送ってくれるというので、なんとなく手持ち無沙汰に片付けを手伝って、気がついたら皆帰った後。
「夢みたいだったな……」
人の前に出るなんて、久しぶりで。
それが桜里のプロデュースした舞台で。
ウェディングドレスで皇に抱かれて。
皇が、ランウェイに……。
ん?
「あーっ!皇!!」
忘れてたああっ!!
慌てて大声を出した私の頭を、後ろから軽くこつんと叩く手。
「やっと思い出したか。薄情な女だな、雪姫」
振り返れば、皇が私を呆れた顔で見下ろしていた。
「ご、ごめんなさい!なんだかいっぱいいっぱいで」
ずっと皇を放ったままだった!
恥ずかしさに俯きかけた私の顎を捕らえて、皇がまっすぐに見つめてくる。
「全く、お前はいっつもそうだよな」
「皇……?」
お、怒ってない、のかな?