君の名を呼んで
*
エアリエルのイベントは大成功をおさめ、日本店舗は大盛況となった。
そして今日は、桜里がイギリスに戻る日ーー。
「元気でね、桜里」
笑顔で言う私に、彼が複雑そうに笑う。
「おや、もう行かないでって、泣いてくれないんですか?」
子供の頃を思い出す。
あの時とは、全然違う別れ。
「そうよ、だってもう大人だし。また、会えるでしょ?」
「えぇ、日本店舗の視察もありますし、ちょくちょく帰ってきますよ」
ニッコリそう言う桜里に、私の隣に居た皇が舌打ちした。
「もう来るな」
嫌ってるなあ。
「君ね、仮にも恋人の父親に、他に言うことは無いんですか?」
呆れた顔した桜里に、何か思いついたように皇がニヤリと笑った。
片手を腰に当てて、尊大に言い放つ。
「ーー娘さんをください。
……とか?」
今、絶対ドーンッて効果音鳴ったわ。
桜里が氷点下ブリザード吹き荒れる、怖~い笑顔で口を開く。
「全力でお断りします。というか、一回死んで下さい」
もう、何て言っていいか。
エアリエルのイベントは大成功をおさめ、日本店舗は大盛況となった。
そして今日は、桜里がイギリスに戻る日ーー。
「元気でね、桜里」
笑顔で言う私に、彼が複雑そうに笑う。
「おや、もう行かないでって、泣いてくれないんですか?」
子供の頃を思い出す。
あの時とは、全然違う別れ。
「そうよ、だってもう大人だし。また、会えるでしょ?」
「えぇ、日本店舗の視察もありますし、ちょくちょく帰ってきますよ」
ニッコリそう言う桜里に、私の隣に居た皇が舌打ちした。
「もう来るな」
嫌ってるなあ。
「君ね、仮にも恋人の父親に、他に言うことは無いんですか?」
呆れた顔した桜里に、何か思いついたように皇がニヤリと笑った。
片手を腰に当てて、尊大に言い放つ。
「ーー娘さんをください。
……とか?」
今、絶対ドーンッて効果音鳴ったわ。
桜里が氷点下ブリザード吹き荒れる、怖~い笑顔で口を開く。
「全力でお断りします。というか、一回死んで下さい」
もう、何て言っていいか。