君の名を呼んで
***


「用意出来ましたか?雪姫」


そう言って覗き込んだのは、私の父親ーー白鳥桜里。
彼は私の姿を見て、微笑んだ。


「ああ、綺麗ですよ」

「ありがとう、桜里」

私も同じ笑顔を返す。



五ヶ月はあっという間。
仕事に追われた私達は今までと変わらない日々を過ごしてきた。

……まあ、女子社員の視線は今まで以上にキツくなったけどね。


けれど結婚式は、やっぱり特別。


私達は、あの日のランウェイを実現する。
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