君の名を呼んで
お前は俺のオモチャ
“ピピッ”
携帯にセットしてあった、
始業時間5分前を告げるアラームが鳴る。
「……ん」
朦朧としていた意識を引き剥がした。
気がつけば私は会議室。
床に座る副社長の、恐れ多くも膝の上で寝ていたようで。
見上げたなら彼自身も、壁に寄りかかって眠っている。
綺麗な睫毛は伏せられたまま、軽く上下するシャツの胸元はいくつかボタンが開いたままで、くっきりとした鎖骨が覗いていた。
一番避けたかった事態になってしまった。
城ノ内副社長の性欲処理の相手なんてごめんだったのに。
『一番お気に入りのオモチャ』だなんて。
二番以降が何百人と居るなら、一番だろうが何だろうが、私には何の意味もないのに。
でも、拒めなかった。
あの瞬間だけでも求められたことが嬉しくて。
「……馬鹿だなあ、私」
ひとり呟いて、乱れきった衣服を直し、そっと立ち上がった。
副社長をそのままにするのもどうかと思ったけど、目を覚まして「は?一回ヤッたくらいで勘違いすんなよ」なんて言われたら立ち直れないもん。
実際に言われたおねーさま方を見たことがあるから、もう容易く脳裏に浮かぶ。
一瞬迷って、城ノ内副社長に私の着ていたカーディガンだけ掛けると、私は会議室から出た。
ひとまず身なりを整えようとトイレに向かったなら。
「……どうしよう」
携帯にセットしてあった、
始業時間5分前を告げるアラームが鳴る。
「……ん」
朦朧としていた意識を引き剥がした。
気がつけば私は会議室。
床に座る副社長の、恐れ多くも膝の上で寝ていたようで。
見上げたなら彼自身も、壁に寄りかかって眠っている。
綺麗な睫毛は伏せられたまま、軽く上下するシャツの胸元はいくつかボタンが開いたままで、くっきりとした鎖骨が覗いていた。
一番避けたかった事態になってしまった。
城ノ内副社長の性欲処理の相手なんてごめんだったのに。
『一番お気に入りのオモチャ』だなんて。
二番以降が何百人と居るなら、一番だろうが何だろうが、私には何の意味もないのに。
でも、拒めなかった。
あの瞬間だけでも求められたことが嬉しくて。
「……馬鹿だなあ、私」
ひとり呟いて、乱れきった衣服を直し、そっと立ち上がった。
副社長をそのままにするのもどうかと思ったけど、目を覚まして「は?一回ヤッたくらいで勘違いすんなよ」なんて言われたら立ち直れないもん。
実際に言われたおねーさま方を見たことがあるから、もう容易く脳裏に浮かぶ。
一瞬迷って、城ノ内副社長に私の着ていたカーディガンだけ掛けると、私は会議室から出た。
ひとまず身なりを整えようとトイレに向かったなら。
「……どうしよう」