バント的な…
で…どうだったの?


コンビニへは行って無かった…


母の顔が曇る。

私は続けた。


3丁目のコンビニあるでしょ?

そのコンビニを過ぎて角を曲がると、銭湯があるの。

その銭湯の3件隣に、漫画喫茶があるの知ってる?


母は全く知らない様子だった。


お父さん、その漫画喫茶に入って行ったの。
何やら雑誌や、難しそうな本を読んでた…。

はっきりしないけど、それは熱心に読んでたよ。


それで、何処にも寄らずに帰って来たの。


私も訳が解らなくて…。


母は浮気を疑っていたらしく、少しホッとしていた。


二人であれこれ父の行動を推理してみるものの、皆目検討もつかない。


お父さんが漫画喫茶に行くなんて…。


目的は何だろ…。


ウソを付いてまで、何故わざわざ漫画喫茶に行くのか。


漫画を読む訳ではないから、余計に二人は混乱した。


何を熱心に読んでいたのか…?


そこでふと、会社での父はどうなんだろうと疑問に思った。


変わらず勤務しているのか…。


変な様子はないか…。

やっぱりここは、真鍋さんに聞くしかない。

母と私は真鍋さんに電話する事にした。


お父さん、ちゃんと会社に行ってますか?

勤務態度はどうですか…?


真鍋さんは、いつもと変わらない父の様子を教えてくれた。


……何かあったのですか?


私はありのまま、伝えた。



…そんな事が……。


父を心配しての事、解かります。


真鍋さんは自分が余計な事を言ったと気にしいる。


しかしまた何だって…?


受話器を置いて、母は再び家事を始めた。


腑に落ちない事が多すぎる。


父は一体何を考えているのか…?
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