双龍の花嫁
「うおおお!」
山賊の一人が女剣士に向かって剣をふるう。
女剣士の太刀はまだ鞘に収まったままだ。
とった!
山賊はただそれだけで勝利を確信した。
「!」
あと少しで刃先が届くところで、突然、女剣士の姿が視界から消える。
気がつけば、腰から上がずり落ちて地面に落ちようとしていた。
「なっ!」
山賊達、頭も含めて、そのあまりにも早い斬撃に声が出ない。
「どうしたの?もうお終い?」
女剣士のあまりにも堂々とした態度に、山賊達は動揺し始めた。
「か、かしらぁ…」
「むう…」
頭も判断に迷ってると、後ろの方から新手が現れた。
「どうしたんです?頭ぁ?」
見た目若そうな男が子分をぞろぞろつれて現れた。
「おお、ハーミット!お前におあつらえ向きの相手だ!」
「へえ」
ハーミットと呼ばれた男は目をぎらつかせて女剣士をみる。
そして、包囲している山賊達よりも一歩踏み出す。
「確かに強そうだ、それに美人だ、俺の名はハーミット。あんたの名は?」
「私の名は菊城玲子」
「へえ、日本人か、めずらしいな。なあ、ただでやるのもなんだから、賭けをしないか?」
「どんな?」
「あんたが俺に勝てば、俺たちはこの村には今後一切手を出さない」
「あなたが勝てば?」
「おれの女になってもらおう」
「ちょっと待て、勝手にそんな…」
「何もできないやつは引っ込んどいてもらおうか」
「ぐ…」
このやり取りを見るからに、なんとなくこの山賊達の力関係が分かる。
要はこの男を斬ればいい。
玲子は太刀を握りなおす。
「いいだろう、その賭け、のった」
「ふ、じゃあ、始めるとするか!」
ハーミットはいきなり低姿勢のダッシュで間を詰めた。
山賊の一人が女剣士に向かって剣をふるう。
女剣士の太刀はまだ鞘に収まったままだ。
とった!
山賊はただそれだけで勝利を確信した。
「!」
あと少しで刃先が届くところで、突然、女剣士の姿が視界から消える。
気がつけば、腰から上がずり落ちて地面に落ちようとしていた。
「なっ!」
山賊達、頭も含めて、そのあまりにも早い斬撃に声が出ない。
「どうしたの?もうお終い?」
女剣士のあまりにも堂々とした態度に、山賊達は動揺し始めた。
「か、かしらぁ…」
「むう…」
頭も判断に迷ってると、後ろの方から新手が現れた。
「どうしたんです?頭ぁ?」
見た目若そうな男が子分をぞろぞろつれて現れた。
「おお、ハーミット!お前におあつらえ向きの相手だ!」
「へえ」
ハーミットと呼ばれた男は目をぎらつかせて女剣士をみる。
そして、包囲している山賊達よりも一歩踏み出す。
「確かに強そうだ、それに美人だ、俺の名はハーミット。あんたの名は?」
「私の名は菊城玲子」
「へえ、日本人か、めずらしいな。なあ、ただでやるのもなんだから、賭けをしないか?」
「どんな?」
「あんたが俺に勝てば、俺たちはこの村には今後一切手を出さない」
「あなたが勝てば?」
「おれの女になってもらおう」
「ちょっと待て、勝手にそんな…」
「何もできないやつは引っ込んどいてもらおうか」
「ぐ…」
このやり取りを見るからに、なんとなくこの山賊達の力関係が分かる。
要はこの男を斬ればいい。
玲子は太刀を握りなおす。
「いいだろう、その賭け、のった」
「ふ、じゃあ、始めるとするか!」
ハーミットはいきなり低姿勢のダッシュで間を詰めた。