冷徹御曹司は政略妻の初めてを奪う
「今すぐ瑠依と結婚するって決めたから、お前の未来はバラ色だ」
「え?そんなのやだ……」
「嫌でもなんでも、これはもう、決定事項だから。俺はお前を嫁にする。今後一切他の男との付き合いはやめてくれ。いいな」
いいな、も何も。
他の男なんていないんだけど。
ちらりとそう思った私の気持ちを読んだのか。
江坂さんは小さく笑って。
「これからも、俺だけだ」
本当に、どうしてこんな事になったんだろう。
私、夢でも見ているんだろうか。
その答えは見つからない。
そして、相変わらず強気な態度で私を抱き締める男前に陥落してしまいそうな気持ちを、抑えることができずにいた。