冷徹御曹司は政略妻の初めてを奪う




手元にあったタブレットを再び操作し、それを私に見せる。

「このタブレットは紬が仕事で使っているものなのに、お前はストーカーかっていうほど瑠依ちゃんの写真ばかりが保存してあるのよ。見て見て」

「ストーカー……」

「そうよ。えっと、これ。瑠依ちゃんが最近手がけていた仕事でプレゼンをしたことがあったでしょ?その時の写真を瑠依ちゃんのおじい様から送ってもらっていて……、で、これはね、彩也子さんが送ってくれたんだけど瑠依ちゃんがおじい様に作ってあげたバースデーケーキ。瑠依ちゃんの手作りが食べられるおじい様が羨ましいって悔しそうに言っていたわよ」

「は……?」

テンポよく幾つもの写真を呼び出しては私に見せてくれる理美さんの言葉が理解できない。

確かにタブレットの中に映し出されているのは私の笑顔や緊張している私の横顔、そしておじい様に作ってあげたケーキ。

それに、何故か成人式の時に撮影した振袖姿の私。

これって、どうやって手に入れたんだろう。

……まさか、おじい様?

ありえそうで、怖い。

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