冷徹御曹司は政略妻の初めてを奪う



私と紬さんの結婚の話を進めたくて、色々画策していたに違いない。

年齢の割に機械関係に明るいおじい様なら、私の写真を紬さんに送ることなんて簡単だ。

かなりの写真が送られているかもしれない。

私の横でコーヒーを飲んでいる紬さんを見ると、身体を椅子に預け、投げやりな視線で私と理美さんを見ていた。

すると、大きく息を吐き出し、その視線を私一人に向けた。

「いいだろ?自分の嫁さんを追いかけてどこが悪い」

ふんっと聞こえてきそうなほど荒い声、そして子供っぽい口調。

紬さんは顔をしかめながらも、決して照れることなくそう言った。


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