やさしい手のひら・後編
「凌・・・」
病人の前で泣いてはいけないのに涙がいっぱい出て来てしまう・・・
「俺・・・生きてるよな?」
「うん。凌は生きてるよ」
だって手がこんなにも温かい
凌は私の手を握り
「亜美が目の前にいるから・・・夢だと思った・・・」
優しく笑う凌の顔に余計涙が止まらなくなる
「凌・・・」
「俺、先生呼んでくる」
坂下が走って部屋を出て行った
「コール呼んだ方が早いのに」
由里も嬉しくて泣き笑い
そして凌の彼女が・・・
「凌くん・・・生きてて良かった」
ポロポロ涙を流す彼女がとてもかわいくて、きっと誰もが守りたくなるような子・・・そんな印象だった
私は凌の手を離し、彼女の背中を押してあげた
「亜美さんがいて良かったね」
「唯・・・」
凌が彼女の名前を呼んで、初めて名前を知った
唯ちゃんはきっと誰よりも凌のことが好きで誰よりも凌の気持ちを知っている
私がここにいることが唯ちゃんに申し訳なく思ってしまう
「目を覚ましましたか」
白衣の先生が部屋に入ってきた
凌の心音を聴き、脈を計ったり、目の中を調べたりしている
「凄い生命力だね。普通、あの状態だと即死だったよ。でももうこれで安心だ」
先生の言葉にみんな喜び、嬉しさで涙を流す
「本郷みんなどれだけ心配したかわかる?」
由里がいつもの口調で凌に言うと
「俺も死んだと思ったよ・・・」
天井を見つめる凌の顔が恐怖を思い出しているのか、辛そうな顔で笑っていた
「生きててよかった」
凌のその一言で命の大切を知らされる
私も自分で命を絶とうとしたことが情けなくなる
凌を見ているとやっぱり自分も生きててよかった・・・そう思えた
病人の前で泣いてはいけないのに涙がいっぱい出て来てしまう・・・
「俺・・・生きてるよな?」
「うん。凌は生きてるよ」
だって手がこんなにも温かい
凌は私の手を握り
「亜美が目の前にいるから・・・夢だと思った・・・」
優しく笑う凌の顔に余計涙が止まらなくなる
「凌・・・」
「俺、先生呼んでくる」
坂下が走って部屋を出て行った
「コール呼んだ方が早いのに」
由里も嬉しくて泣き笑い
そして凌の彼女が・・・
「凌くん・・・生きてて良かった」
ポロポロ涙を流す彼女がとてもかわいくて、きっと誰もが守りたくなるような子・・・そんな印象だった
私は凌の手を離し、彼女の背中を押してあげた
「亜美さんがいて良かったね」
「唯・・・」
凌が彼女の名前を呼んで、初めて名前を知った
唯ちゃんはきっと誰よりも凌のことが好きで誰よりも凌の気持ちを知っている
私がここにいることが唯ちゃんに申し訳なく思ってしまう
「目を覚ましましたか」
白衣の先生が部屋に入ってきた
凌の心音を聴き、脈を計ったり、目の中を調べたりしている
「凄い生命力だね。普通、あの状態だと即死だったよ。でももうこれで安心だ」
先生の言葉にみんな喜び、嬉しさで涙を流す
「本郷みんなどれだけ心配したかわかる?」
由里がいつもの口調で凌に言うと
「俺も死んだと思ったよ・・・」
天井を見つめる凌の顔が恐怖を思い出しているのか、辛そうな顔で笑っていた
「生きててよかった」
凌のその一言で命の大切を知らされる
私も自分で命を絶とうとしたことが情けなくなる
凌を見ているとやっぱり自分も生きててよかった・・・そう思えた