やさしい手のひら・後編
「幼稚園の先生になれたんだろ?」

「うん。毎日楽しいよ。今は夏休みだけどね」

「そっか。亜美先生見てみたいな」

「恥かしいから見なくていいよ」

少しでも凌が癒されるなら・・・

二人でたくさんしゃべって笑っていた

「あら仲がいいこと」

凌のお母さんが来て、話が途中で終わり私は

「今日は帰ります」

「あ、私が帰るからまだ亜美ちゃんはいて」

「でも・・・」

「凌の着替えとか買いに行きたいの。それに私より亜美ちゃんがいた方が凌はいいでしょ?」

「当たり前」

「ほらね。もう少しだけいてあげて」

「はい」

まだ起き上がれない凌に水を飲ませたり、昼ご飯の準備をしたりしていた

まだ回復していないせいか凌は疲れやすいようで、私としゃべっている時、眠ってしまっていた

顔の傷を見るとどれだけ飛ばされたのかと考えてしまう

足が動かなくなるまでの衝突

私は考えると怖くなりギュッと目を閉じた

「どうした?」

目を覚ました凌が私の顔を心配そうに見ている

病人に心配させるなんて・・・

「ううん」

「亜美・・・」

「うん?」

私は笑顔で凌に微笑んだ



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