やさしい手のひら・後編
ぎこちないまま私と凌は少しだけ会話をして

「私、もう帰るね」

時計を見ると17時を過ぎていた

「亜美・・・」

「うん?」

「明日も・・・来るの?」

「うん、リハビリだし。付き合うよ」

凌はクシャッと笑って

「そっか」

「うん。じゃあ、明日来るね」

私は手を振って病室を後にした

心細いのかな・・・

凌のお母さんも週末しか来れないし・・・

明日からリハビリ

いよいよ、凌はリハビリと戦い

少しでも動いてくれれば凌も前向きでいられる

でもまったく動かなかったら、凌はどんな思いをするだろう

「頑張ろうね、凌」

私は手を強く握りマンションへと向かった



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