やさしい手のひら・後編
次の日、眠い目を擦りながら目を覚ました

夢見が悪かったのか目尻が涙で濡れていた

凌のリハビリが始まる日だっていうのに…

病院へ行く準備をし、私は凌が待つ病院へ急ぎ足で向かった

右手には昨日、病院の帰りに買ったタオルを持っていた

以前、テレビでリハビリの人が凄い汗を掻いていたのを思い出し、私は駅前のデパートに立ち寄りタオルを買ってきていた

トントン

ドアを静かに開けるとベットに座り、雑誌を見ていた凌がいた

「おはよ。調子はどう?ご飯ちゃんと食べた?」

「俺のおふくろみたいだな」

そう言って笑っている凌を見ると、なぜかホッとしてしまう

なんだろう…この気持ち

そんな気持ちも気にせず、私は車椅子に乗る凌を見守っていた



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