やさしい手のひら・後編
凌がリハビリで疲れているだろう、と言うことで由里と一緒に病院から出て来た

「この先どうなるんだろうって思ったよね」

帰り道、由里がボソッと呟いた

「私、もしかしたらって悪い方に考えていた時もあった」

「私も…」

私だけではなく由里も同じことを思っていた 

「亜美さ、本郷とどうするの?」

「えっ?」

「本郷さ、別れてからもずっと亜美のこと好きだよ」

「…」

「なんかさ、本郷みてると痛々しくってさ」

由里は私に気をつかいながら言った

「うん。わかってる」

凌の気持ちは十分わかってる

「…」

「新くんがいることわかってるよ。でも本郷はもう何年も亜美のこと好きで…それに健太くんも結婚…あっ」

健太?結婚?

「健太が何に?結婚ってなんなの?」

由里はまずそうな顔をして、手で口を塞いでいた

健太が結婚?



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