やさしい手のひら・後編
「亜美聞いてくれ」
健太は私の両腕を揺さぶりながら叫んでいる
「聞いたって私達は結婚…できないんでしょ」
私はここへ何をしに来たんだろう
頭の中が朦朧とする
もう考える力さえなくなっている
「亜美、これから話すことを聞いてくれ」
健太が私の腰に手を回し、教会の敷地内にあるベンチに私を座らせた
「あの日、駐車場でしつこく付きまとうあいつを俺は…力の加減もしないまま押したんだ」
「えっ…」
「あいつは押された勢いで近くにあった鉄製のゴミ箱に倒れこんで…当たった所が丁度角だった…そして胸元に傷を覆ってしまったんだ」
「そんな…」
「俺は責任を取ろうと思って、なんでもするって言ってしまっていた。そうしたらあいつは、亜美と別れてくれって、そう言ったんだ」
私の知らない所でそんなことがあったなんて…
健太、苦しかったよね
私は健太の気持ちを考えると目蓋は涙で溢れていた
健太は私の両腕を揺さぶりながら叫んでいる
「聞いたって私達は結婚…できないんでしょ」
私はここへ何をしに来たんだろう
頭の中が朦朧とする
もう考える力さえなくなっている
「亜美、これから話すことを聞いてくれ」
健太が私の腰に手を回し、教会の敷地内にあるベンチに私を座らせた
「あの日、駐車場でしつこく付きまとうあいつを俺は…力の加減もしないまま押したんだ」
「えっ…」
「あいつは押された勢いで近くにあった鉄製のゴミ箱に倒れこんで…当たった所が丁度角だった…そして胸元に傷を覆ってしまったんだ」
「そんな…」
「俺は責任を取ろうと思って、なんでもするって言ってしまっていた。そうしたらあいつは、亜美と別れてくれって、そう言ったんだ」
私の知らない所でそんなことがあったなんて…
健太、苦しかったよね
私は健太の気持ちを考えると目蓋は涙で溢れていた