やさしい手のひら・後編
「俺のせいで亜美の人生まで壊してしまったな」

私は何度も首を横に振った

健太が悪いんじゃない…

誰が悪いとか、きっとないんだ

「でも…私は誰と付き合ってもだめなの…。健太なの…健太じゃなきゃだめなの」

健太は泣きじゃくる私の手を強く握った

「俺も亜美といつまでもこうして、ずっと手を繋いでいたい。誰もいない所へこのまま逃げたい。そう思うよ」

健太…

「でも俺も亜美も叶えた夢を捨てれない。そうだろ?」

「私は何もかも捨ててでも健太と一緒に…」

「本当に捨てれるか?幼稚園の子供達を捨てれるのか?」

私の園児達…

私が突然幼稚園から消えたら…

現実を考えると…

私には今を捨てるなんて…できなかった

「俺も祐介達を見捨てることはできない」

ジワッと目の前が曇りだす

「何があっても…私と健太は…一緒になれないんだね…」

どんな案を考えても一緒に歩むことなんて不可能だった



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