やさしい手のひら・後編
「わかったよ。もう何も言わない」
私は顔を上げ、背筋を伸ばした
「亜美・・・」
「これからはお互い他人だよ。だから偶然会っても絶対話しかけないで。辛いけど、もうどうにもならないことがやっとわかったから・・・。私も幸せ掴むから、健太も・・・幸せになって」
これ以上健太を苦しめることができなかった
もがけば健太だって辛い
泣けば苦しめる
私が身を引けば・・・きっと健太も楽になるはず
いつまでも留まっていても前に進めない
だから笑おう
笑って本当のさよならをしよう
私は精一杯の笑顔で・・・
「健太、もう逃げないでね。何があっても佐原樹里を幸せにするって誓って」
「・・・」
「健太が決めたことなんだよ。自分のしたことが間違いだったなんて思わないで、一緒に前に進もう」
「亜美・・・」
手を引っ張られ私は健太の胸の中に閉じ込められた
「亜美・・・幸せにしてやれなくてごめん」
うんうんと私は頷いた
健太の匂いも健太の温もりもそして健太の優しさも、絶対忘れないから
「健太ありがとう。私、本当に幸せだったよ。出会えたこと後悔なんてしてないから」
「ごめんな・・・」
健太が振るえていた
だから私も腕を伸ばし力いっぱい健太を抱き締めた
「私行くね」
健太の腕を避け、私は外に出た
秋風がスッーと私を横切る
「元気でね」
「亜美・・・」
「私は大丈夫だから。心配しなくていいよ」
「仕事・・・頑張れよ」
「うん。健太もね。ほら、名残惜しくなるからもう行って」
「元気でな」
「うん」
行ってしまった・・・
車が見えなくなった途端、私は力が抜けその場に座り込んでしまった
私、頑張ったよね・・・
私は顔を上げ、背筋を伸ばした
「亜美・・・」
「これからはお互い他人だよ。だから偶然会っても絶対話しかけないで。辛いけど、もうどうにもならないことがやっとわかったから・・・。私も幸せ掴むから、健太も・・・幸せになって」
これ以上健太を苦しめることができなかった
もがけば健太だって辛い
泣けば苦しめる
私が身を引けば・・・きっと健太も楽になるはず
いつまでも留まっていても前に進めない
だから笑おう
笑って本当のさよならをしよう
私は精一杯の笑顔で・・・
「健太、もう逃げないでね。何があっても佐原樹里を幸せにするって誓って」
「・・・」
「健太が決めたことなんだよ。自分のしたことが間違いだったなんて思わないで、一緒に前に進もう」
「亜美・・・」
手を引っ張られ私は健太の胸の中に閉じ込められた
「亜美・・・幸せにしてやれなくてごめん」
うんうんと私は頷いた
健太の匂いも健太の温もりもそして健太の優しさも、絶対忘れないから
「健太ありがとう。私、本当に幸せだったよ。出会えたこと後悔なんてしてないから」
「ごめんな・・・」
健太が振るえていた
だから私も腕を伸ばし力いっぱい健太を抱き締めた
「私行くね」
健太の腕を避け、私は外に出た
秋風がスッーと私を横切る
「元気でね」
「亜美・・・」
「私は大丈夫だから。心配しなくていいよ」
「仕事・・・頑張れよ」
「うん。健太もね。ほら、名残惜しくなるからもう行って」
「元気でな」
「うん」
行ってしまった・・・
車が見えなくなった途端、私は力が抜けその場に座り込んでしまった
私、頑張ったよね・・・