やさしい手のひら・後編
あの日私は、何もかも嫌で自分が存在することさえ嫌になっていた

以前買ってあったあれを思い出し、引越しからまだ出していないダンボールの中を掘り返した

無我夢中で何個もあるダンボールをあさって

「ない、ない」

どこを探してもない。残り一個のダンボール

私はガムテープをむしり、やっとここで見つけた

睡眠薬・・・

期限が切れているがそんなことも気にせず、キッチンへと走った

水を出し、グラスに水を注ぎ何錠もの薬を一気に飲んだ

大量の薬のため胃が受け付けない

でもどうしても私は生きることを望めなかった

死にたい・・・ただそれだけ

無理やり薬を流し込むと胸が苦しくなる

薬が逆流してくる

でも私は目をギュッと強く瞑り、また水を流し込む

この先楽に慣れるなら・・・今は耐えられる

瓶の中が空になったのを確かめ。安心したのか私はその場で倒れてしまった

ここから私の記憶は遠くへ行ってしまっていた

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