やさしい手のひら・後編
健太も今ここにいるんだね・・・

じゃ、佐原樹里も・・・

私は祐介くんの言葉が気になっていた

どうして健太は元気がないのだろう。ため息ばかり付いてるって、佐原樹里と一緒にいて幸せじゃないの?

でももう私は健太を助けることもできない。傍にいることもできない

控え室に入ってからも健太のことばかり考えていた

トントン

「はい」

健太・・・?

「準備できた?」

新くんだった・・・何を期待しているんだろう。ここに健太なんて来るはずないのに・・・

「お前遅いよ」

「あっ、ごめん」

急いで自分の貴重品をバックに入れ、さっきもらったプレゼントを持つと

「荷物ばっかじゃん」

私の左手からプレゼントを奪い取り持ってくれた

「ありがと」

「忘れ物ない?」

部屋を見渡し

「うん。大丈夫」

そして私と新くんは廊下に出た

「何食べたい?」

「うーん。ラーメン」

「自分の誕生日にラーメンかよ」

私の言ったことが可笑しいのかずっと笑っている

「だって何食べたい?って言うから」

「ラーメンはいつでも食べれるだろ」

「誕生日でもラーメンが・・・」

私はしゃべっている途中、前から歩いて来る人にびっくりしてしまい声が出なくなった

前から健太が・・・

健太が一人で歩いてくる・・・
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