やさしい手のひら・後編
「お前の気持ちわかるよ。でもよ、健太は健太の道をもう進んでいる。あれが健太の答えだ。だから・・・お前も前へ進まないと行けない。黙っていたって時間は勝手に過ぎて行くんだ」

わかってるよ・・・健太の答えを・・・

でも好きなの。こんなにいっぱい好きなの・・・

「自ら自分の命を捨てるな。命の寿命が来るまで生きれよ」

新くんは私を優しい目で見ていた

その姿が健太とダブってしまう

「こんなことをしたって健太が戻ってくることはもうないんだ・・・」

新くんの言葉が胸に突き刺さる

どこかでそれを期待していた自分がいたのかもしれない・・・

でも私を助けたのは新くん

健太ではない

これを私は受け入れないと前に進めない

健太のあの優しく笑った顔が目に浮かぶ

クシャッと笑うあの笑顔を・・・

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