やさしい手のひら・後編
「俺…勝手だよな」
どこを見ているのか私を見ないままボソッと呟く
そんな健太の顔が寂しそうで…
健太の顔を見ないつもりが私はいつの間にか見つめていた
「ほんとは俺…」
♪♪♪~
私のバックの中から携帯が鳴っている
きっと新くんだ
痛い方の足を庇いながら立つと
「出るな」
健太が厳しい顔で私に言った
「新くんから…」
「いいから出るな」
そう言って私のバックを持った
「私を探してる。だから返して」
「返せない。携帯に出たら亜美は帰って行く」
お願い、そんなこと言わないで…
「健太…私達はもう終わったんだよ」
言いたくなかった言葉を健太にぶつけていた
「健太には佐原樹里がいる。私には新くんがいる」
自分で言っておいて、胸が苦しい。喉が痛い。鼻がツーンとして健太がぼやけていく
涙が零れないように瞬きをしないでいると一粒の涙が目尻を辿って流れ落ちた
健太が一歩、一歩私に近付き、溢れだす涙を親指で拭ってくれた
どこを見ているのか私を見ないままボソッと呟く
そんな健太の顔が寂しそうで…
健太の顔を見ないつもりが私はいつの間にか見つめていた
「ほんとは俺…」
♪♪♪~
私のバックの中から携帯が鳴っている
きっと新くんだ
痛い方の足を庇いながら立つと
「出るな」
健太が厳しい顔で私に言った
「新くんから…」
「いいから出るな」
そう言って私のバックを持った
「私を探してる。だから返して」
「返せない。携帯に出たら亜美は帰って行く」
お願い、そんなこと言わないで…
「健太…私達はもう終わったんだよ」
言いたくなかった言葉を健太にぶつけていた
「健太には佐原樹里がいる。私には新くんがいる」
自分で言っておいて、胸が苦しい。喉が痛い。鼻がツーンとして健太がぼやけていく
涙が零れないように瞬きをしないでいると一粒の涙が目尻を辿って流れ落ちた
健太が一歩、一歩私に近付き、溢れだす涙を親指で拭ってくれた