やさしい手のひら・後編
「ごめん…なさい」

許してくれないかもしれない

でも今の私には謝ることしかない

「じゃあ、来いよ」

私の手首を掴み、リビングを通って寝室に入っていく

そして私をベットに放り投げ、押し倒され新くんが私の真上に来た

「ンッ」

突然、新くんが私の唇に唇を重ねる

私は抵抗しないまま新くんを受け入れようとしていた

これで許してもらえるなら…

私は新くんに抱かれてもいい

目を瞑ると勝手に涙が流れていた…

怒っているはずなのに乱暴なキスではなかった

何度も角度を変えて私にキスを落とす

「・・・ンッ」

息をする暇もなくキスが続く

そして新くんは私の背中に手を回し、ファスナーを下ろしていく

私は下着だけになり、新くんはネクタイを緩めそのまま外し、上半身裸になっていた

私は恥かしさの余り顔を横に向けると

「こっち向いて」

私の両頬を手で挟め、新くんの顔の前へと向かされた

「俺から目を逸らすな」

暗闇の中、新くんの切なそうな顔が薄っすらと見えた

何ヶ月ぶりだろう・・・

人の肌の温もり

私は9ヶ月ぶりに人の温もりに触れていた



< 77 / 199 >

この作品をシェア

pagetop