やさしい手のひら・後編
「ンッ・・・ッ」

私の頭を押さえつけ唇を奪われる

でも・・・

さっき健太と交わしたキスを忘れることが出来ないでいた

頭に浮かぶのは健太の顔

健太のことを思うだけで胸が締め付けられる

そして私は涙を堪えることができなくなり泣いてしまっていた

バサッ

新くんが私から離れて、私に布団を被せた

「ごめん・・・」

右手の拳を左手の手で押さえている

「新・・・くん」

押さえている手を見つめたまま俯いている

「俺だけを見て欲しいからって無理やり亜美を抱こうとしていた・・・」

新くん・・・

「お前の気持ちも考えずに・・・ごめん」

新くんの横顔が切なくて見ていられない

「ごめんね・・・私のせいで嫌な思いをさせて・・・」

私は後ろから新くんに抱きついた

「私が・・・私が悪いの・・・」

やっぱり新くんと離れることはできない

こんなにも自分を責めている新くんを見捨てることなんてできない

私は新くんのの背中で泣きながら

「私を抱いて・・・下さい・・・」

そう言っていた


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