やさしい手のひら・後編
「座ったら?」
健太はベンチの右側を空けてくれた
もう一人座れるんじゃないかというぐらいの私と健太との距離
その距離が私と健太が別れてしまったことを意味するかのように虚しくなる
手を伸ばせば届く距離なのに伸ばすこともできない
「元気だった?」
向かい合わせではないので目を合わすことがない。それが私には丁度良かった
「うん」
「亜美が先生している所…見れてよかった。亜美の夢、叶ったんだな」
私の夢が叶っても、隣に健太はいない
「大変か?」
「大変だけど、子供達から笑顔をもらえるから…すごく楽しい」
「そっか…」
少しの間、沈黙が続く。そして沈黙を破り健太が言った言葉は、
「…新とうまくいってるのか?」
グサッときてしまった
新くんの名前を出され、健太といることに対し罪悪感を感じてしまう
「うん。うまくいってる」
嘘じゃない。あれから私と新くんは本当にうまくいっている
だから私も聞いてみたんだ
「佐原樹里とはうまくいってるの?」
健太はベンチの右側を空けてくれた
もう一人座れるんじゃないかというぐらいの私と健太との距離
その距離が私と健太が別れてしまったことを意味するかのように虚しくなる
手を伸ばせば届く距離なのに伸ばすこともできない
「元気だった?」
向かい合わせではないので目を合わすことがない。それが私には丁度良かった
「うん」
「亜美が先生している所…見れてよかった。亜美の夢、叶ったんだな」
私の夢が叶っても、隣に健太はいない
「大変か?」
「大変だけど、子供達から笑顔をもらえるから…すごく楽しい」
「そっか…」
少しの間、沈黙が続く。そして沈黙を破り健太が言った言葉は、
「…新とうまくいってるのか?」
グサッときてしまった
新くんの名前を出され、健太といることに対し罪悪感を感じてしまう
「うん。うまくいってる」
嘘じゃない。あれから私と新くんは本当にうまくいっている
だから私も聞いてみたんだ
「佐原樹里とはうまくいってるの?」