涙
俺はとりあえず、彼女が泣き止むのを待つことにした。
彼女が、泣き止んだのを確認すると、俺はいかにもを装って、部屋に入った。
『おーっす、美瑠どうしたんだ?って、聞こえるはずねーか』
ある程度予想していたが、一番愛しい人に声をかけられないのは虚しかった。
「紅夜?居るの?どこに居るの?教えてよ。」
さすが幼馴染みというべきか。
気付いてくれた。
『ここだよ。』
俺が言うと、彼女にも俺の姿が見えたようだ。しかもさわれる。初めてだった。
『なぁ、美瑠。いい加減誰かのために泣くのやめろよ。兄貴だって、お前に泣かれるのを望んでねぇんだぜ?』
「いっつも、私が泣いてるとき紅夜が出すのは、紅琉さんの話だよね。
紅琉さんは泣いてる子より、笑ってる子の法が好きだとか。なんで?」
『それは、お前が兄貴のこと、・・・「好きだからって?」』
『自分で、分かってんじゃん。』