夏恋
「かなり遅くなっちゃったから急いでやるよ!」
彩は腕まくりをして、臨戦態勢。
裕也は彩の部屋に入りながら、懐かしさに浸っていた。小学生の時によく遊びに来た部屋。彩が引っ越してから、この部屋をいつもあそこの窓から見てたんだな…。
「じゃあまずカラーボックスを組み立てよう」
彩が板を段ボールから取り出す。
「え、そこからやるの?」
「だって何もしてなかったんだもん。まだ机とベッドだけだよ」
裕也は改めて部屋を見回した。ピンクと白のボーダー柄のベッド。かわいらしいなぁ。机にも学校の教科書が積んである以外は何もない。
「よし、やるか!」
裕也も腕まくりをすると、気合いを入れた。

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