夏恋
懐かしい話をうどんを食べながら始終して、富士屋を出たときは既に4時近くになっていた。
「なんかお昼じゃなくなっちゃったね」
「まさかおばさん、あんなに喋るとはな…」
二人は顔を見合わせ、思わず吹き出す。
でも幼少期の頃の自分の様子を時々別の人に話されるのも悪くない、と裕也は思った。彩との思い出が結構多いことにも驚いた。やっぱり自分では結構忘れているもんなんだな。
「裕くんごめん、私この後ちょっと用があるんだ。先に帰ってて。」
「へ?用ってなんだよ?」
「いいからいいから。ごめんね。じゃまた明日学校で。」
そういうと彩は反対側に向かって歩き出してしまった。
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