キスはワインセラーに隠れて
誰に当たったってキケンなことには変わりないと思うともう色々と考えるのが面倒になってしまって、アミダくじは私と本田とでふざけあいながら、適当につくった。
揺れる車内でペンを走らせたせいでミミズみたいな線が並ぶそれを、後ろの二人にひらひらと見せながら本田が聞く。
「1~4までありますけど、何番にします?」
「……3」
迷うことなく、というか、どうでもいいような調子で答えたのは須賀さん。
「俺は1」
藤原さんは1か……何に関しても俺が一番とか思ってそうだもんね。
失礼なことを考えつつ前に向き直り、本田と最後の二択を相談する。
「環は?」
「うーん……どっちでも。残ったトコでいいよ」
「じゃあ俺は……2!」
言い放つと同時に、折られていた紙の一番下の部分をぺらっとめくった本田。
そこには○印と×印がそれぞれ二個ずつ書いてあって、単純に同じマークに当たった人が同室になるのだ。
「えーと……あ、俺は○だ。で、環は……ばつ」
指で線の上をなぞっていた本田が言う。
「……うん。あとは?」
本田とは同室じゃないってことか……
残念……一番気軽に話ができる相手が消えてしまった。