キスはワインセラーに隠れて
本田に引っ張られるようにして連れて来られたのは、がちゃがちゃピコピコ、色んな機械がうるさいゲーセン。
そこに着くと自然に手が離れて行ったことに安心して、私は辺りをキョロキョロ見回す。
わー、こういうとこ久しぶり。
「……あ。あのばななっしーのぬいぐるみ欲しい……」
偶然見つけたUFOキャッチャーに、お気に入りのマスコットを見つけて立ち止まる私。
可愛いのか気持ち悪いのか、その微妙なトコを彷徨う黄色いフォルムがかわいいんだよねぇ。
「……まじか。環のセンスちょっと疑うけど、欲しいなら取ってやる」
「え。いいよ……こういうゲームって取れないようにできてるじゃん」
実際私だって、今まで何枚の100円玉を無駄にしてきたか……
「お前、俺を甘く見てるだろ」
「え?」
「コレは一発で取れる。……たぶんな」
機械の外側から、色んな角度でばななっしーを眺めた本田が言う。
「一発なんて無理だよ……」
「じゃあ賭けよーぜ」
「賭けるって……何を?」
本田はチャリ、と機械にお金を投入し、光るボタンに手を添えると言った。
「一発で取れたら、そのカッコのままで俺とプリクラ」
「え、ちょっとそんなの――――!」