光のもとでⅡ
身支度を済ませてリビングへ行くと、唯兄がキッチンでカチャカチャと音を立てていた。
この音は、唯兄が愛すべきインスタントコーヒーにたくさんのお砂糖を入れて、スプーンで攪拌している音。
私に気づくと、
「あ、お寝坊さんの登場だ」
「はい、お寝坊さんです。久し振りにゆっくり眠れて幸せだった」
「それは何より」
唯兄の背後を通り過ぎ、冷蔵庫からリンゴジュースとミネラルウォーターを取り出すと、私は慣れた手つきで水割りりんごジュースを作る。
「リィのそれは相変わらずだね」
「唯兄だって……」
「まぁね」
「ところで、唯兄は朝ごはん食べた?」
「まだ。俺もお寝坊グルーピーでして、そろそろリィが起きてくるだろうから、と思って待ってた」
「わ、嬉しい!」
ひとりで食べるご飯ほど味気ないものはないし、唯兄が一緒だと、ご飯の準備がとても楽しいものに変わるのだ。
「それじゃ、何食べよっかねぇ……」
ふたりがまず目をやったのは炊飯器。しかし、炊飯器は空を知らせるかのごとく蓋が開いていた。
その隣のブレッドケースを開けると食パンが二枚とフランスパンが半分ほど。
「パンがちょうど二枚だからトーストにする?」
「パンを使うのは賛成だけど、なんかひと捻りほしいな」
「チーズトースト?」
「なんつーか、リィにはもっと栄養バランスのいいものを食べさせたいわけですよ」
「……サラダとインスタントスープも作る?」
「ひとまず冷蔵庫チェックとまいりますか」
ふたり並んで冷蔵庫を開けると、ドアポケットにシート状とフレーク状のとろけるチーズがあった。次は野菜室。
「あー……リィの好きなレタスさんときゅうりさんは不在ですな」
「ですな。……あ、でも、ピーマンと玉ねぎ、冷蔵庫にはサラミもあったよ?」
「お? そしたらあれですな」
「「ピザトースト!」」
私たちは手早く作業を分担し、十分と経たないうちに、こんがりとろっとしたチーズがたまらなく美味しそうなピザトーストにありついた。
この音は、唯兄が愛すべきインスタントコーヒーにたくさんのお砂糖を入れて、スプーンで攪拌している音。
私に気づくと、
「あ、お寝坊さんの登場だ」
「はい、お寝坊さんです。久し振りにゆっくり眠れて幸せだった」
「それは何より」
唯兄の背後を通り過ぎ、冷蔵庫からリンゴジュースとミネラルウォーターを取り出すと、私は慣れた手つきで水割りりんごジュースを作る。
「リィのそれは相変わらずだね」
「唯兄だって……」
「まぁね」
「ところで、唯兄は朝ごはん食べた?」
「まだ。俺もお寝坊グルーピーでして、そろそろリィが起きてくるだろうから、と思って待ってた」
「わ、嬉しい!」
ひとりで食べるご飯ほど味気ないものはないし、唯兄が一緒だと、ご飯の準備がとても楽しいものに変わるのだ。
「それじゃ、何食べよっかねぇ……」
ふたりがまず目をやったのは炊飯器。しかし、炊飯器は空を知らせるかのごとく蓋が開いていた。
その隣のブレッドケースを開けると食パンが二枚とフランスパンが半分ほど。
「パンがちょうど二枚だからトーストにする?」
「パンを使うのは賛成だけど、なんかひと捻りほしいな」
「チーズトースト?」
「なんつーか、リィにはもっと栄養バランスのいいものを食べさせたいわけですよ」
「……サラダとインスタントスープも作る?」
「ひとまず冷蔵庫チェックとまいりますか」
ふたり並んで冷蔵庫を開けると、ドアポケットにシート状とフレーク状のとろけるチーズがあった。次は野菜室。
「あー……リィの好きなレタスさんときゅうりさんは不在ですな」
「ですな。……あ、でも、ピーマンと玉ねぎ、冷蔵庫にはサラミもあったよ?」
「お? そしたらあれですな」
「「ピザトースト!」」
私たちは手早く作業を分担し、十分と経たないうちに、こんがりとろっとしたチーズがたまらなく美味しそうなピザトーストにありついた。