光のもとでⅡ
Side 翠葉 05話
駅のロータリー、一般レーンには五台の車が停まっていた。そのうちの前から二台目が秋斗さんの車。
助手席の窓から運転席を覗き込むと、ツカサは眉間にしわを寄せていた。
私たちに気づくと、さらにしわを深める。
見るからに不機嫌そう。
そんなツカサを見るなり、
「くっ、仏頂面」
秋斗さんは楽しそうに笑うけど、不機嫌の要因は秋斗さんにあると思う。
でも、私がそれを言えるはずもなく、やり場のない思いはため息でつくことで吐き出す。
「大丈夫、翠葉ちゃんが助手席に座れば機嫌も直るよ」
秋斗さんは助手席のドアを開くと、私から松葉杖を取り上げた。
秋斗さんに支えられながら助手席に腰を下ろすと、
「司、無茶な運転はするなよ」
助手席のドアを閉めた秋斗さんは、後部座席のドアを開けると松葉杖だけを収納する。
秋斗さんが乗らないことを不思議に思って尋ねると、
「そこまで野暮じゃないよ。帰りはふたりでどうぞ」
そう言って、秋斗さんは手をヒラヒラさせながら去っていった。
その場に残されてポカンと口を開けていると、
「後続車は警護班の車」
言われて納得した。秋斗さんはその車に乗って帰るということなのだろう。
ツカサは周囲の確認をすると、ゆっくりと車を発進させた。
助手席の窓から運転席を覗き込むと、ツカサは眉間にしわを寄せていた。
私たちに気づくと、さらにしわを深める。
見るからに不機嫌そう。
そんなツカサを見るなり、
「くっ、仏頂面」
秋斗さんは楽しそうに笑うけど、不機嫌の要因は秋斗さんにあると思う。
でも、私がそれを言えるはずもなく、やり場のない思いはため息でつくことで吐き出す。
「大丈夫、翠葉ちゃんが助手席に座れば機嫌も直るよ」
秋斗さんは助手席のドアを開くと、私から松葉杖を取り上げた。
秋斗さんに支えられながら助手席に腰を下ろすと、
「司、無茶な運転はするなよ」
助手席のドアを閉めた秋斗さんは、後部座席のドアを開けると松葉杖だけを収納する。
秋斗さんが乗らないことを不思議に思って尋ねると、
「そこまで野暮じゃないよ。帰りはふたりでどうぞ」
そう言って、秋斗さんは手をヒラヒラさせながら去っていった。
その場に残されてポカンと口を開けていると、
「後続車は警護班の車」
言われて納得した。秋斗さんはその車に乗って帰るということなのだろう。
ツカサは周囲の確認をすると、ゆっくりと車を発進させた。