光のもとでⅡ
そんな唯兄を笑い飛ばしたのは黄叔父さんで、黄叔父さんが間に入ることで、おじいちゃんともおばあちゃんとも少しずつ距離を縮めることができた感じ。
夕飯の途中で、今年のお年賀は唯兄が手配したものだと知れると、おじいちゃんはワインクーラーから白ワインを取り出し、おじいちゃん自らグラスにワインを注ぎ始めた。
どうやら、そのワインこそが唯兄が贈ったお年賀だったらしい。
お母さんの実家にはワイン、お父さんの実家には日本酒。お母さんやお父さんから好みを聞いて、ホテルの人に相談したのだとか。
唯兄はそのことを後ろめたそうに口にしたけれど、おじいちゃんは朗らかに笑った。
「君の事情は碧から聞いている。だが、私は君という人間を知らない。君も私という人間を知らないだろう? 昨日の今日で家族になれるわけじゃない。だから、今日から始めよう。君が歩み寄る努力をしてくれるのなら、私たちからも歩み寄る努力をしようと思う。どうだろう?」
夕飯の途中で、今年のお年賀は唯兄が手配したものだと知れると、おじいちゃんはワインクーラーから白ワインを取り出し、おじいちゃん自らグラスにワインを注ぎ始めた。
どうやら、そのワインこそが唯兄が贈ったお年賀だったらしい。
お母さんの実家にはワイン、お父さんの実家には日本酒。お母さんやお父さんから好みを聞いて、ホテルの人に相談したのだとか。
唯兄はそのことを後ろめたそうに口にしたけれど、おじいちゃんは朗らかに笑った。
「君の事情は碧から聞いている。だが、私は君という人間を知らない。君も私という人間を知らないだろう? 昨日の今日で家族になれるわけじゃない。だから、今日から始めよう。君が歩み寄る努力をしてくれるのなら、私たちからも歩み寄る努力をしようと思う。どうだろう?」