光のもとでⅡ
 唯兄の緊張の糸が切れたのはこのとき――。
 ボロボロ、と涙を零したままおじいちゃんを見ていた。
 そして、おじいちゃんにワインを注いでもらえないか、と尋ねられると、カタカタと震えながらワインボトルを傾けた。
 人が歩み寄る瞬間を目にしたと思った。

 その晩、おじいちゃんたちはお父さんたちに一室、蒼兄と唯兄に一室、私ひとりに一室、と客間を用意してくれていたけれど、私はわがままを言って唯兄のベッドで一緒に寝させてもらうことにした。
 白野のパレスに泊まったときはベッドルームが分かれていたこともあり、一緒に寝ることはなかった。プラネットパレスでは同じスペースに横になったものの、本調子ではなかったことから三人であれこれ話すこともできなかった。でも、この日は枕投げに始まり、深夜遅くまで三人でお話をして過ごした。
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