光のもとでⅡ
 おじいちゃんちに泊まりにきたのは初めてじゃないし、三人枕を並べたのも初めてじゃない。でも、こんなふうに過ごしたのは初めてのことだった。

 翌日、朝食は唯兄が作るというサプライズを経てお父さんの実家へ。
 途中でスーパーに寄り、おつまみを作るのに必要な材料を購入してからいくと、おおらかなおばあちゃんに出迎えられた。
 おじいちゃんはいつもと変わらず無口だったけれど、こちらでもお年賀の話をお母さんが明かしたことで、そのときに贈られてきた日本酒が振舞われた。
 おじいちゃんは大工さん。職人気質で無口な人だけれど、そんなおじいちゃんの空気が和らぐ感じは確かに感じられた。
 最後には家の玄関前に七人で立ち、記念写真を撮った。
「唯は車の免許は持っているのか?」
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