光のもとでⅡ
 洗面を済ませ、制服を着て部屋を出る。と、
「あれ? リィ、制服?」
「うん。藤宮の応援をしにいくから、やっぱり制服かなと思って」
「ま、そっか。そうだよね。ひとりで大丈夫?」
「うーん、どうかな? 中学の同級生には会いたくない。でも、前ほど怖いとは思っていないのかも」
「一緒に行こうか?」
 窓際でコーヒーを飲んでいた蒼兄が心配そうな顔をしていたけれど、
「ううん。大丈夫」
「……でも、また絡まれたら?」
「……どうしようかなぁ」
 あの人たちに絡まれたところで建設的な話はできそうにない。もともと会話に趣旨がないのだから対応のしようがないのだ。
「……無視、かな?」
 私の一言に唯兄が衝撃を受けたように一歩後ずさる。
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