光のもとでⅡ
「まさかリィの口から無視なんて言葉が出てこようとは……」
「だって、会話に趣旨が見えなければ何を返すこともできないでしょう?」
 蒼兄はクスクスと笑いだした。
「これも成長、かな?」
「どうかな?」
 私も笑って首を傾げる。
「でも、心配なものは心配なので……」
 唯兄はポケットから携帯を取り出すと、
「おはようございます、若槻です。今日のリィの予定は幸倉運動公園で弓道の試合を見る、なんですが、変な輩に絡まれる可能性があるので、しつこそうだったら助けてあげてください。――よろしくお願いします」
 私と蒼兄は顔を見合わせる。
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