光のもとでⅡ
 公園の北側は公園の敷地内ギリギリのところに木が立ち並ぶ程度で、その内側には芝生広場が広がっている。その中に舗装された小道があり、しばらく歩くとジョギングコースに出る。さらに小道を進むと大体育館に突き当たる。
 今年も体育館裏手の藤棚はきれいに咲いているだろうか。
 鎌田くんとは試合が終わったあとに藤棚で待ち合わせをしている。そのことを話したうえで、ツカサともその藤棚で待ち合わせをしていた。
 別に隠すことではないし、ツカサがいて困ることもない。でも、少しだけ緊張しているのはどうしてかな。
「……まだ、メールのこと気にしてるかな」
 どちらかというと、気にしているのは私なのかもしれない。
 ツカサはあれ以上何を言うでもなかった。でも、私の心には小さな棘が刺さったままなのだ。
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