光のもとでⅡ
 風が吹き、私と鎌田くんの間にひゅ、と音がした。そんな音とは対照的に、足元に生える細長い草はサワサワと優しい音を奏でる。
「あのさ」
「あのっ」
 周囲の音にそぐわない声が重なり、互いがびっくりした顔をした。そんな顔で目が合うと、自然と笑みが漏れる。
「俺から言ってもいい?」
「うん」
 なんとなく、話そうとしていることが同じような気がした。こういうことをシンパシーというのだろうか。
「俺、振られちゃったけど、これからもメールとか送ってもいいかな? 今までどおり、友達として……」
 やっぱり、思っていたことは同じ……。
 鎌田くんの気持ちが、言葉が、素直に嬉しかった。
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