光のもとでⅡ
「謝らなくていいし……。今は振られるかもしれないって思いながら告白したけど、そんなに緊張はしてなかった。それよりも、振られたあと、友達を続けられるかそっちのほうが不安で……。こちらこそ、これからも友達でいてくれるのありがとう」
 目が合ったところでどちからともなく握手を交わした。鎌田くんの手は、ツカサの手と少しだけ似ているような気がする。
 佐野くん……本当だった。佐野くんが教えてくれたことは本当だったよ。
 告白されて断っても、友達はそこで終わるわけではないのね。
 視線を鎌田くんに戻すと、鎌田くんの視線が私の背後に向けられていた。
 何かと思って振り返ると、制服に着替えたツカサが立っていた。
 一番に「おめでとう」が言いたかった。でも、口から出そうになった言葉を呑み込む。
 鎌田くんの前ではやめておこう。あとで言おう。そう思ったとき、鎌田くんが「おめでとう」を口にした。
「藤宮くん、インターハイ進出決定おめでとう」
「……ありがとう」
< 147 / 1,333 >

この作品をシェア

pagetop