光のもとでⅡ
 言葉を交わすことが必要。相手がどんなことを考えたり思ったりするのかが全くわからない関係だから。
「……友達になるためにメールが必要だと思っているのは翠だけじゃないの?」
 え……?
「鎌田は翠のことが好きなわけだから、ただつながりを得たかっただけじゃないの?」
 ……それは考えてもみなかった。
 考えもしなければ、その答えを知っているのは鎌田くんだけ。
「さっき鎌田くんに告白された。でも、きちんと断ったよ。そのうえで、友達のままでいようって話をしたの。だから、今までがどうかはわからないけれど、これからはそういうつもりでメールをするわけじゃないと思う」
「俺が鎌田なら、そんな簡単には引けないと思う。翠は告白して相手に断られたらそれで終わりにできるんだ?」
「……ツカサは私が考えもしないことを思いつくのね」
「翠の考えが浅はかなだけだと思うけど」
< 154 / 1,333 >

この作品をシェア

pagetop