光のもとでⅡ
 この時期の中間考査は外部生を強く意識するため、内進生はピリピリしている。その状況下で結果を出せるかどうか――。

 俺はなるべく関係ないことを考えながら球技大会の準備をしていた。粗方準備が済むと、
「優太はこのあと部活?」
「そう、大会までもう日がないからね」
 嵐と優太の会話に顔を上げた翠が、
「ツカサも? ツカサも弓道の試合ある?」
 食いつくような勢いで俺に話を振ってきた。
「去年と同じ」
「試合、見にいってもいい?」
「別にかまわない。時間と場所も去年と同じ」
 翠を見るとどうしてもさっきのメールのことが気になって仕方がない。結果、俺は早々に部活へ行くことにした。
< 163 / 1,333 >

この作品をシェア

pagetop