光のもとでⅡ
「翠っ、翠っ――」
「翠葉っ、翠葉大丈夫っ!?」
「ん……」
 翠は薄っすらと目を開け、ぼんやりとした反応を見せる。
「翠、痛むところは?」
「え……?」
 パチリ、と目を開けた翠は、何を訊かれているのか、といった顔をした。そのあと、
「右半身、痛いかも……。あと、頭? 首?」
 自分の左手を痛む場所へと移動させる。
「右半身が痛いのは右を下にして倒れたから。首と頭が痛いのはボールが当たったから」
 俺にわかることを教えると、嵐が補足するために口を開いた。
「うちらの裏面コートのボールが当たったんだよ。一応、仕切りネット越しだったから、威力そのままではなかったと思うんだけど……」
「すみませんっ、自分が打ったボールでっ」
 隣のコートで試合をしていた男子が頭を下げる。と、翠はこれ以上ないくらいに目を見開いた。一気に上体を起こし、
「わっ、あの、本当に大丈夫なので――」
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