光のもとでⅡ
眼球運動の状態は滑らかで指先を十分追うことができる。眼振はとくに認められない。輻輳(ふくそう)もとくに異常は見られず複視もない。
「あんた、何医者の真似ごとしてんのよ」
姉さんが息を切らしてやってきた。きっと誰かが呼びに行ったのだろう。
「所見は何もないと思う。でも、念のために病院で検査してきて」
「最初からそのつもりよ。ほら翠葉、病院行くわよ」
「えっ!? 今ですか?」
「そうよ。CT撮るだけだから一時間かからないわ。昼休み中には戻れるでしょ」
「でも集計作業――」
「集計のことなら気にしなくていい。翠が戻るまでは俺か優太が見る」
「……ごめんなさい」
「謝ることじゃない」
あとは姉さんに任せればいい。
俺はその場に集まった人間を散開させ、自分たちもコートに戻り試合を再開させた。
「あんた、何医者の真似ごとしてんのよ」
姉さんが息を切らしてやってきた。きっと誰かが呼びに行ったのだろう。
「所見は何もないと思う。でも、念のために病院で検査してきて」
「最初からそのつもりよ。ほら翠葉、病院行くわよ」
「えっ!? 今ですか?」
「そうよ。CT撮るだけだから一時間かからないわ。昼休み中には戻れるでしょ」
「でも集計作業――」
「集計のことなら気にしなくていい。翠が戻るまでは俺か優太が見る」
「……ごめんなさい」
「謝ることじゃない」
あとは姉さんに任せればいい。
俺はその場に集まった人間を散開させ、自分たちもコートに戻り試合を再開させた。