光のもとでⅡ
「だから?」と俺が答える前に翠が口を開いた。
「鎌田くんがどういう気持ちでいるのかはわからないけれど、それはたぶんあまり関係ないの。鎌田くんがどう思っていても、私は今までと同じように接することしかできないから」
 それは、告白されても断る、ということだろうか。断って友達でいる、ということだろうか。
 俺はその会話を陰で聞いていたにも関わらず、心がざわついたままだ。ともすれば、翠が鎌田の好意を受け入れないという結果を見続けても、俺の心境は何も変化しないように思える。
「ツカサ、私はツカサが好きだよ。だから、また鎌田くんに告白されたとしても、同じことを答える」
 何を言われたのか、と一瞬動揺した。動揺ではなく衝撃だったかもしれない。
 自分の中でドロドロと渦巻いていたものが、サラサラの物質に変わり流れていくのを感じる。つっかかったものが、するり、と喉を通過した気がした。
 なんだこれ……。
 疑問に思っていると、翠の携帯が鳴り出した。携帯を翠に返すと、ディスプレイを見ていくつかの操作を始める。
 どうやらメールを受信したらしい。
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