光のもとでⅡ
 携帯を見ると、ひとつのアプリが起動していた。メッセージの送信主はこの部屋にいるあんちゃん。

 ――どうせ眠れてないんだろ?
 ――えぇえぇ……緊張の極致ですよ
 ――そんな唯に朗報
 ――何?
 ――御園生のおじいちゃんは日本酒好き
 ――知ってるってば
 ――だからさ、おつまみ作ればいいと思うよ
 ――は?
 ――たぶん、おじいちゃんは唯の料理が好きだと思う
 ――胃袋ゲット作戦ですか?
 ――まぁ、そんなとこ。明日、おじいちゃんちの近くにあるスーパーに寄ろう
 ――それは助かる。さすがに初めて行く家の冷蔵庫事情はわかんないし、あれこれ使うのも申し訳ないから
 ――今日ほど緊張する家じゃないから大丈夫だよ
 ――そうは言われても緊張するものなんですっ! でも、すてき情報ありがとう
 ――寝不足と緊張が重なるといいことない。羊でも数えて無理矢理寝ろよ
 ――ははは……了解。がんばって試みる所存
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