光のもとでⅡ
 携帯ディスプレイの光が消えると、俺はリィにぴたりとくっついた。
 くっつくだけじゃ物足りず、お布団に出ていた片手をゲット。
 リィ、ちょっとだけ――ちょっとだけぬくもりください。

 翌朝、七時になると碧さんが俺たちの部屋にやってきた。
「唯、一緒に朝ご飯作らない?」
 言われた途端、俺とあんちゃんは顔を見合わせた。
「何よ、ふたりして……」
 昨夜のやり取りを碧さんが知っているわけがない。でも、この提案は――。
「唯が料理上手なのお父様たちに自慢しようと思って。嫌?」
「いえっ、全然っ。むしろ大歓迎っ!」
「キッチンにあるものは何を使ってもいいわ。それと、これはまだお父様とお母様には内緒なの。朝食の席でびっくりさせましょ。吉田さんにもそうお願いしてきたから」
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