光のもとでⅡ
「……うまいな。吉田さん、これは美味しいですよ。たまには朝に中華粥というのもいいかもしれない」
 おじいさんの言葉に吉田さんがクスリと笑った。
「旦那様、今日の朝食は私が作ったものではないんです」
「そうなのかい? じゃ、誰が――翠葉かな?」
 おじいさんがリィを見ると、
「おじいちゃん、はずれ。唯兄よ」
 リィがにこりとかわいく笑んだ。その顔に目尻を下げたおじいさんは、すぐに俺に視線を移し、
「唯くんが、か?」
「はい……。お口に合ったようで良かったです」
「これならおかわりができそうだ」
 おじいさんはえらく上機嫌でスプーンを口に運び、口にしたとおりおかわりを所望した。
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